なにがなんでも『ひゃくえむ。』を読んでほしい
皆様、『ひゃくえむ。』をご存じでしょうか。
マガポケをチェックしている皆さんならご存じの方も多いはず。
作者は魚豊先生。題材は陸上競技の「100m走」の漫画です。
圧倒的に足の速い少年トガシくんが「足が速ければそれだけですべてがうまくいく」という持論をもって冷めた生活を送っていたが、転校生の小宮くんと出会い次第に「熱」を持っていく…という始まりところから始まるストーリーです。
(ちなみにトガシくんがどれくらい速いかというと中学生の全国大会の参加標準記録が11秒20くらいに対してトガシくんは12秒50を小6で軽く走ってたたき出してるのでかなり速い)
あまりの人気に発売予定のなかった単行本が発売されることとなったという伝説をもち、5か月連続刊行が決定し今月1巻が発売されました。
100m走という他のスポーツと比べて切り口が少ない題材のシンプルさを生かして「ガチ」の勝負をしている緊迫感、その「熱」で狂っていくプレイヤーたちそれが魅力です。
本ッ当にこの漫画は勝負にこだわる人たちの狂気具合が本当に良くてゾクッとさせられる瞬間が何度もあるんですよ。
魚豊先生は読み切りで『佳作』という作品を公開しているのですがそちらもスポーツに懸けた人の熱が本当にすごいことになっていて…
足が速い奴は勝ち組、というのはみなさんも小学校で経験があったりするんじゃないでしょうか。
足が速い子は運動会のリレーではスーパーヒーローですしみんなに「すごいすごい」と称賛されてモテモテになりましたよね。
そうなる上で重要なのはやはり1位ということ。
僕も小学校の頃は結構足が速いほうでキャーキャー言われてもおかしくなかったと思うんですけど同年代にテニスで全国に行くようなやつとかサッカーの名門校に行くようなやつがいて僕よりも速かったんでぜんっぜんキャーキャー言われませんでした。
その敗北者感がもう本当に『ひゃくえむ。』にそのまんまでてきて。
大衆の興味はやっぱり1位にしかないんですよね。だから1位から転落した先は悲惨である。トガシくんはそれをわかってしまい次第に敗北の恐怖に追われていくことになる一方、小宮君は1位になって勝利の味を知ってしまいます。
無敗伝説を続ける者、勝利してしまった者、そして転落してしまった者。走るという小学校の頃、大多数が経験したであろう題材はかなり親近感があるのではないでしょうか。
彼らの感情が読者の心に突き刺さってくる『ひゃくえむ。』ぜひ読んでみてください。
1~3話は無料で読めます。
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