平成ライダー全肯定映画『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』の感想
私はこの映画を大学生パワーで金曜日の昼に観てきたのですがあまりの映画の持つパワーに感想を書く気になれず、今日2回目を見てきてやっと感想を書ける状態に至った次第です。
こちらは感想記事です。内容に対する考察、詳細なことはこちら
http://takuanu.hatenablog.com/entry/2019/07/28/013113
平成ジェネレーションズForeverが平成ライダーを愛した僕たちに向けてありがとうと言ってくれるような映画だったのに対してこの映画はその僕たちが愛した平成ライダーがなんだったのかを教えてくれるような映画でした。まさに平成ライダーの煮こごり。平成ライダーのエッセンスが注ぎ込まれた内容。
僕は2000年生まれなので正確にはクウガからリアルタイムで追っていたわけではないので正確さに少し欠けますが平成ライダーを振り返ると新ライダーのビジュアルが公開されたときは「こんなのは仮面ライダーじゃない」「動けばカッコいい」「最後には好きになってる」なんて言われつつも、本編をみんな見て時には熱狂し、時に辟易し、ギャグで笑い、最終回を迎え寂しさを感じつつも新ライダーに期待を寄せ、いつしか始まった春のお祭り映画を楽しみ、批判し、バラエティ番組に仮面ライダー(の関係者)が出たら盛り上がり、そして現在へと至る…といった感じでした。
そしてその歴史のすべてを気持ちいいほどに肯定したのがこの『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』でした。
以下ネタバレを含む感想です。
まず語るべきは詩島剛の活躍。「今を生きる」がテーマのこの映画においてチェイスを復活させるため奮闘している彼は本当に適任だと思いました。レッツ変身、良かったですね。
クリムに関しては祖先が明智光秀だろうと勝手にミスリードしてしまいましたね。中の人ネタかと…
織田信長と牛三のギャグなんかも明るくて良かったですしその雰囲気から一転した後半のシリアスさですよ。ジオウドライブ編みたいなのでこちとらお腹いっぱいだっつーの。
ザナモス、ゾンジスに関してはそれぞれ鷹山仁と本郷猛を参考にしたそうで。俺が潰す、倒すって言ってるゾンジスの本郷猛は完全に平成VS昭和の時では…?と思いましたがこんなパワーのある映画を見せられたあとではそれも狙ってやったのでは…?と思うほどです。
そしてクウォーツァー。半ばメタ視点なのが面白いですよね。まさに平成ライダー最後の敵としてふさわしい。平成ライダーのデコボコさ加減を指摘したり平成ライダーが束になってかなわないのを「平成ライダーには意味がないからな」と言って倒してしまったり。
そんな半ば「平成ライダーアンチ」のような彼らに反論をすることで平成ライダーを全肯定する、と言ったら言い方が悪いですが、スタッフが今までやってきたことに自覚的で「でも俺たちはこれを本気でやってきたんだ!」と言ってくれるのがとても嬉しいんですよ。批判をされながらもその全てを愛してきた僕らにとっては。
そしてその肯定の中に含まれる仮面ノリダー。一度は突き放したものの彼もライダーではないけどライダーを伝えてきた存在であると認める器のデカさ。というより平成ライダーがしっちゃかめっちゃかなんだからこれを認めないわけにはいかないわけですが。
バラエティ番組で作るきっかけとなった仮面ライダーG、舞台からカチドキ斬月、そして批判も多かった春映画のゴライダー、漫画展開からクウガ。
これらの不揃いな、デコボコな、「本編の外」の存在もひっくるめて平成ライダーなんだと。
これらの登場は劇場がこれまでにないくらいどよめいて、僕も体が震えて最高の展開でした。
そんな熱い展開から文字通りシリーズの名前を背負ったヒーローたちのライダーキック。僕たちの応援してきた歴史を感じて絵面はトンチキなものの泣きそうになってしまいました。
刻まれた「平成」の文字も生きてきた歴史を刻んだと捉えると結構熱くないですか?トンチキな絵面なものの内面は熱いっていうのはめちゃくちゃ平成ライダー。
最後にそんな平成からバトンタッチされたゼロワン。「俺の時代はこれから始まるんだ」という言葉、本当に楽しみにさせてくれますね。
(ところでゼロワンのあのフォームってすごいビビューンぽかったんですけど全てのフォームが石ノ森章太郎リスペクトなデザインなのかな?)
なかなかうまくまとめられませんでしたが本当に良かったです。僕の言いたいことはそれだけ。言葉通り最高の体験でした。