ざっくばらんセンテンス

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高校最後の夏、文化祭でずっとクイズをしてた話

9月と言えば文化祭シーズンである。6月とかにやるところもあるようだが私の学校は前者であった。

高校最後の文化祭という事でみんないろいろな出し物を回ったり、写真を撮ったりして思い出づくりに励んでいた。

そんな文化祭、

私は一日中クイズに答えていた

 

理由は単純だ。友人らが全員彼女と回りに行ってしまったからである。あるあるな話過ぎて笑えてきてしまう。

 

2日のあるうちの1日目でほとんどの場所を回っており、残り行ってない場所も少ないため、「今日はどこ行く?」と私は友人に聞いてしまった。うすうす分かってた気がしたのに。「俺…こいつと回るから……」と申しわけなさそうな顔で返事をされた。これを言わせてしまったという罪悪感で胸が刺されるようだった。「おう!」と元気に返事をして私は1人残される前に教室から飛び出した。隣のクラスのやつと回ろうとも思ったがそこはそこで予定があるだろうし加わっても迷惑かと思い。声はかけなかった。私は走って「いかにも仕事で忙しそうなやつ」を演じながら、クイズ研究部が出し物をしている部屋に辿り着いた。そこにいた彼らは私を快く迎えてくれた。

実は1日目の終わりにここには少しの間訪れており、中々楽しかったという思いは抱いていたのだ。誰とも回るあてのない私はここで1日を過ごそうと決めた。

ここはクイズをクイズ研究部の人たちが出してそれを早押しで答える、というものだった。客VS客、客VSクイズ研究部員の時もあった。隣の部屋から「残酷な天使のテーゼ」が流れて来たときは部員が小踊りを始めるなど、緩くも楽しい場所であった。

クイズが本職の彼らは当然めっぽう強く、私は彼らの知識の広さ、早押しの速さに驚きつつも悔しく思いクイズに熱中していった。

しかし、私が彼らから完全に一本を取って大喜びしてた頃それは起きた。

友人の1人のカップルがやってきたのだ。世界の違いのようなものがそこにはあった。誰が悪いわけでもない、事故のようなものだと私は解釈した。早々に彼らは帰った。

しかし、それも束の間、少しすると別の友人らのダブルカップル(厳密に言うとちょっと違う)一行がやってきたのだ。その中には私に申し訳なさそうに断りを入れた友人もいた。私は「嘘だろ…」と思った。誰も悪くない事故の上、大事故である。どうしたらいいか分からない私はクイズに熱中し続けた。話かけられたので返事はしたが私は彼らの顔を見ることができなかった。嫉妬などでは決してなかった。あの勢いよく教室を飛び出した手前、見れなかったのだ。結局、彼らも早々に別の場所へと遊びに行った。

私は自由時間いっぱいまでクイズをし続けた。おかげで早押しのコツやいろいろな知識を仕入れることができた。自分が違う側の人間ということをうすうす分かっていながらも、思い知らされる仄暗い記憶と共に楽しい記憶が同居した面白い体験になったと思う。

高校最後の夏、あのときクイズ研究部の彼らが私を快く受け入れてことに本当に感謝している。